3.18.2016

お遍路バッハ ~天への仲介人修行編~ No.4 (藤井寺~焼山寺)

2016年3月4日(金) 立春 天気 快晴(^^)/
     
お遍路バッハ第二回2日目です。
(活動の詳細はこちら→お遍路バッハ

今日は、遍路ころがしと言われる難所に挑むので、朝6:45に旅館 吉野をでました。
お泊まり仲間のお遍路さんたちは、みなさん焼山寺へ行かれるそうで、朝4時に出発された方もいらっしゃいます。
6回目の遍路のおじさまが、くつひもの結び方を教えてくれました。
なんでも、足先ほどゆるくして足首できゅっと締めるとマメが出来にくいのだとか。
アドヴァイス通りにひもを締めなおします。

旅館吉野から、歩いて10分くらいで11番藤井寺到着。
朝が早いと、、、表情ありません・・・(^_^;)
第十番 藤井寺
◆奉納曲:6つのパルティータより 第一番 変ロ長調 サラバンド

すでに何組かのお遍路さんたちが参拝をすませていました。
朝7時から開けてくださっている納経所でご住職が、あと一時間くらいで団体さんが来るから早く登り始めたほうがええよ~と教えてくれました。
あ、焦るっ!
初めての難所で緊張気味です。
と、Kお母様がお水をお持ちでないことが判明。
おっと、これから売店もなにもないので藤井寺の駐車場までダッシュ!

現在AM7:30。
これで準備万端、焼山寺へ!!
最初から結構な登り道が続きます。
手前の小さな道しるべには
「遍路ころがし」と書いてあります。
登り口にはミニ88カ所の祠がずっと続きます。
最初は「わ~いもう12番だぁ」とか楽しんでいましたが、すぐにもくもくと歩くことになりました(^_^;)
意外と急な上り坂です。
遍路ころがしとは良くいったもので・・・。(あとで気づくのですが、この道しるべは急坂のところに現れます!)

ちょうど5分ほど登ったところでしょうか、振り返ると一緒にいたはずのKお母様がいません!
ん???
ライターさんが一服してから登ってくると言っていたので、そちらとご一緒かなと思い、少し先のベンチで座って待つことに。
ライターさんが登ってきました。
あれっ?お母様は?
どうやら何かが変です。
しばらくすると、無事に登っていらっしゃいましたが、顔色がすぐれません。
ライターさんと私で即下山決定。
絶対無理はできません。
残念ですが、ライターさん親子は車で焼山寺へ向かって頂くことになり、私ひとりでの遍路道になりました。

気になりつつも、先を急ぎます。
この難所、健脚5時間、並脚6時間、ゆっくり登って8時間と言われています。
私は初心者。きっと8時間くらいかかるかもしれない・・・。

お大師様も歩いた道
木々の中、鳥の声がひときわ賑やかになってきました。
今日も暖かくて春の陽気です。
木立の間からそよぐ風が心地よく、空気が美味しいのでまだまだ元気です(*^^)v
お大師様も歩かれた道が残されているというこの遍路道。
考えてみたらすごいことですよね!
1200年は変わらずにいるってことですよね!
あ~南無大師遍照金剛(合掌)!

整備された遍路道。途中の木々には励ましの札。
はい、すでに下向いてます。
登れども、登れども、誰にも会わない、休む場所もない・・・。
景色を楽しむ余裕、、、、もちろんありません!

やっと座れる長戸庵に到着。
お大師様にご挨拶をして、チョコレートとお水で少し休憩。
ここには女性用トイレもありましたが、なんだか怖い。。。
今回はパスします。

持参していたペットボトル2本分のお水がちょうど無くなりそうなところで柳水庵に到着!!
柳水庵
山道ばかりだったのが、急に人の手の入った場所が現れるとなんだかほっとします。
ここでもお大師様がいらっしゃるのでご挨拶をして、「柳の水」という湧水でのどを潤します。
おいしいっ!
ペットボトルにしっかり補給して合掌。
後から登っていらした遍路さんが、同じように「柳の水」で休憩していました。
どちらから?
旅館 吉野です。
あらま、良く見たら見覚えのあるお顔(*^_^*)
道中安全のご挨拶をお互いかわして、先へ参ります。

ここからが、私にとっては最大の修行道でした。
本当につらかった。。。
登りのときに脚が出ない。
自分の足なのに、思うように動かせません。
何度も立ち止まって水分補給&糖分補給。
ここへきて、初めて座り込んでしまいました。
暑くて暑くて汗だくで、行けども行けども坂道で。
本気でもう駄目かもとおもいかけたところで、、、、
どーん!
お大師さま~!!!!!
キツイ階段の先にお大師様。
急に力が湧いてきます。

私ってこんなにお大師様LOVEだったっけと思うほどの感動です。
本当に心底しんどいところでお大師様が迎えてくれるというのは元気がでますね(*^_^*)
ふらふらしながら登り切って、一本杉庵に到着です。

大きな杉の木にお大師様像。

登り始めて、3時間半。やっとここまで来ました。
リュックをおろして、菅笠脱いで、ちょっと休憩。
休んでいると、さっきお会いした人とは別の旅館吉野の2人組がやってきました。
もう一息だよ~と教えてもらって俄然やる気もわいてきます!
よしっ!あと一息!

ここからはまずは下り。
ここにきて先ほどの疲れがうそのようにサクサク歩いて行けます。
下りは結構大股で飛ばし気味に行ったほうが脚への負担がないようですね。
途中タヌキの溜め糞やら、イノシシの穴掘り痕とかを横目に、飛ぶように下ります(*^^)v

下りきると、山の中に里が出現しました!
左右内の里

なんとも昔話に出てきそうな里です。
正面には深い山が幾重にも重なって、日本の風景の美しさを大スクリーンで見させてくれます。
こんな細ーい道も遍路道

石垣の横を谷へ向かって進みます。

小さな滝が流れています。
谷まで下りきったら、またひと山登らなくてはなりません。
渓流近くの土手で、旅館 吉野で作ってもらったおにぎりを一個食べてエネルギーチャージ!
米パワー!!!
すごいですよ。米って。
ふ~日本人だなぁ。すぐに元気になります(^^)

谷からの山道で、やっぱりありました。
「ここより遍路ころがし」の道しるべ(^_^;)
でも、一本杉庵の時とはくらべものにならないくらいせっせと登れます。不思議だぁ。
お米のおかげかな。。。

最後の山を登って舗装された道にでると、その先は焼山寺です!
元気なつもりですが、やっぱり疲れ果ててますね(^_^;)
第十二番 焼山寺
◆奉納曲:6つのパルティータより 第一番 変ロ長調 メヌエット

12:30到着。
なんと出発より5時間半!
健脚(?)認定です(*^^)v
焼山寺の境内で、ライターさん親子と再会!
お母様の顔色も戻られて元気なご様子で安心しました。
私のほうがヘロヘロです。

今日はここで区切り。
まだ雪が残る境内を後に、松山へ帰ります。
今回はピアノを演奏できるところが無いことがわかっていたので、今日の奉納曲2曲は次回にキャリーオーバーすることにしました。
残念だけど仕方ありません。
次回いっぱい弾きますよ~!

■次回は4月、13番~17番を打つ予定です。

■おまけ①
吊り橋好きの私です。
オロノの吊り橋をみつけて大喜びで走って渡りに行きました!
誰か吊り橋遍路してる人いないでしょうか(笑)
大好きな吊り橋で調子にのってポーズ
しっかりしていて揺れないのがちょっと残念でした。
 ■おまけ②
前の日にお世話になったSさんに、お礼のご挨拶がしたくて突撃訪問。(図々しくてごめんなさい)
快く招き入れて下さり感謝しますm(__)m
そこで出して頂いたお饅頭があまりに美味しくてご紹介です。
帰りに買って帰りました(*^_^*)
遍路道途中ですので、時間があったら寄ってみてください。
品の良いこしあんをふわふわの皮でつつんであります。
店頭で温かいうちに出してくれます。

お菓子の店「結城末広堂」
徳島県阿波市市場町八幡字町屋敷39
Tel:0883-36-3038



3.16.2016

お遍路バッハ ~天への仲介人修行編~ No.3 (熊谷寺~切幡寺)

2016年3月3日(木) ひな祭り 天気 快晴!

第二回お遍路バッハに行ってまいりました。(活動の詳細はこちら→お遍路バッハ
この日は、ぐーんと気温が上がって19℃!!
前回も2月なのに14℃近くあったことを踏まえ、今回は夏物下着で挑みます!
汗対策が夕方からの冷え込みから体を守ってくれるので。
こういう体温調節って長く歩くと大切なんだなとしみじみ思います。
お先達様方のブログなどを読ませて頂き、なるほど~と感心しきりでした!

さて、今回は十楽寺から八番札所熊谷寺をめざします。
本当に雲ひとつない快晴で、気分もすがすがしく出発!
松山からくる途中のPAで、ご同行者のKお母様が作ってくれた桜餅をほおばったので、お腹も満足しています。
AM9:30。
いざいざGOGO!

遍路道途中にはいちご畑がたくさんあって、イチゴ狩りが楽しめるみたいですが、期間は3月下旬から。
季節になったら甘い匂いが広がるかもしれませんね。
歩き遍路の好きなところは、季節の匂いをかげることもあるかも(*^_^*)

1時間ほど歩いて山を登り切ると熊谷寺に到着です。
参道を山の中へ入ると、四国最大の多宝塔がお出迎え。

色鮮やかな多宝塔

まだ午前中で、山々の緑も清々しい空気に喜んでいるようです。
参拝後、山を下る道をずーっと行くと巨大な仁王門が現れます。
熊谷寺のシンボル、四国最大の仁王門!←すでに2個目の四国最大!



第八番 熊谷寺 
◆奉納曲:6つのバルティータより 第一番 変ロ長調 プレリュード

仁王門のモクレンが咲きそうで、本当に♪春春春~って感じです。

次のお寺法輪寺までは、周りが畑ばっかりの道を歩きます。
途中のお家は、敷地の角の道標をさけるように壁をつくってありました。


遍路道途中の道標と荒神様 
空ではひばりがさえずり、本当にお天気が良くて気持ちいい!・・・・のですが・・・。
日差しを遮るものがないので、紫外線が気になります・・・。
この歳になると、日焼けは大敵!!!
どなたか最強の日焼け止めを知りませんか!!

気を取り直して、法輪寺。到着です。

 
第九番 法輪寺
◆奉納曲:6つのパルティータより 第一番 変ロ長調 アルマンド

 
お釈迦様の涅槃像がある、とってもめずらしいお寺です。
納経もすませ、さぁさぁ次へと山門を出ようとすると、ヨダレかけをしている六地蔵さま。
ん?んんん???
お一人多い!?
違う!お地蔵さまじゃなくて七福神でした!
いやいや、ヨダレかけしてるからてっきり・・・(^_^;)


七福神のひとり言。
俺たち神様だよ~ヨダレかけってどうよぉ~(T_T)
でも、意外とイケてるんじゃない?(笑)

私のつぼにハマって笑いが止まらないです。(不謹慎でごめんなさい)
同行のライターさんと、この話題でしばらく楽しく歩かせてもらいました。

法輪寺からほどなく行くと、小豆洗大師が見えてきます。
おかゆにする小豆を洗うため、お大師様が杖でついた場所から泉を湧きださせたそうな。

泉でおやくそくポーズ

小豆洗大師のお大師様。
失礼してパチリ。


この時点で12:30。ちょっとゆっくりしすぎたので、先を急ぎます。

切幡寺に行く途中、表具屋さんで荷物を預かってもらいました。
これから333段の階段を登ると思うとありがたいです。


第十番 切幡寺
◆奉納曲:6つのパルティータより 第一番 変ロ長調 クーラント

切幡寺、大塔からの展望
素晴らしい景色です。
参拝を終え、荷物を預かって頂いた表具屋さんへ戻ると、お接待で美味しいお茶を頂きました(*^_^*)
お茶を頂きながら、表具屋さんのお母さんに、このあたりにピアノを弾かせてくれるところはないか聞いてみると、遍路道をずっと進んだところに保育所があっって、そこならピアノがあると教えて頂きました。
いつもながら、見ず知らずの人間の頼みに親身になってくださる皆様に感謝です。


表具屋さんのとなりのスモトリ屋さん。
遍路道具などを扱うお店の旧店舗の軒下にて。
お腹がすいて、疲れ顔です・・・(^_^;)
切幡寺をあとに、腹ペコを満たすべくJA夢市場へ向かいます。
米が食べたい~!
JA夢市場ではお弁当がすでに売り切れていたので、お寿司や卯の花やらのお惣菜を買って、お店の奥にある休憩スペースで食べさせて頂くことに。
なんと、ここはお遍路さんにお接待として、自販機の飲み物を一杯を無料で下さいます!
本当にお四国というのは、いたるところで優しさをくださるのだと、しみじみ思います。

お腹が満たされたところで、さぁ!ピアノを弾かせてもらいに行こう!

遍路道を吉野川方面へ歩いて行くのですが、言われた保育所が見当たりません・・・。
地図で言うとここら辺なのですが、、、。

ちょうど通りかかった地元の方にお訊ねすると、なんと!お声掛けした方はその保育所の目の前にお住まいの方でした!
それも、保育所の土地の半分は、この方の土地だったそうです。。。
今回もお大師様のお導きを頂きました(^^)

ご親切にも一緒に行って下さり、園長先生にお話まで通して頂き、あっさりOK!
ありがとうございますっ!

木造建築のまだ新しい保育所ですが、入っていくとすでに園児50人ほどが体育座りをして待っていてくれました(^_^;) 
す・・・すばやい。

じっと聴いてくれてる園児たち

 お大師様の御影に合掌していると園児たちも一緒に合掌してくれました。
ちびっこたちまでが、なんの違和感もなくこうした行為をしてくれることに、驚きと感激です。
やはり遍路の国の子供たちですね。
こういうことって全国に広がるといいなぁ。
お行儀よく聴いてくれてありがとう。

園長先生(右)とお世話になったSさん(左)

玄関口のひな人形の横で、なぜかドヤ顔の私(笑)

この偶然の出会いから、ご案内してくださったSさんは、後日3・11の坂の上の雲ミュージアムでのコンサートにも、遠くからお越しくださいました。
本当に、心から感謝します。
これもお大師様がくださったご縁ですね。
大切にしなくては。

この後、吉野川を超え、今宵の宿「旅館 吉野」へ。
■浴衣、ドライヤー、ハブラシあり。
焼山寺への途中はお店がないので、ここで昼食のおにぎりをお願いすることもできます。

到着したのは18時ちょっと前。いやぁ、遠かったぁ!
お風呂に入って、ご飯食べて、明日の焼山寺への道にそなえ早めに就寝します~(^^)/

■次回は11番、12番を打ちます。

産経新聞掲載記事です☆彡

3月6日の産経新聞に、お遍路バッハの記事が掲載されました!
それもなんと全国版!

全国の皆様に見て頂けるとは、感謝感謝、感激です(T_T)

バーコードを専用アプリで読みこむと、ネットの動画にリンクするそうです。
最近の新聞はいろいろなんですねぇ。
すでに取り残された感があります(^_^;)
動画は先日テレビ愛媛さんが放送してくれたものの短縮版です。
期間限定ですが、今現在(2016/3/16)ではまだリンクしてますよ。

お試しください(*^_^*)




3.15.2016

「忘れない。3.11 」 後記

東日本大震災から5年。
先日行われたコンサート「忘れない。3・11」
お陰さまで、たくさんの皆様にご来場頂き無事終了いたしました。

とても寒い夜でしたが、松山や遠方からも来て下ったお客様方の、
東北の皆様への暖かいお気持ちが胸にしみました。

坊っちゃん劇場の女優、吉田 葵さんと、脇山 尚美さんの気仙沼の歌と踊りはとても力強く、元気いっぱいに会場をひとつにしてくれました!
吉田さんは気仙沼出身ということで、並々ならぬ想いが体中からほとばしっている感じがして、胸が熱くなります。
脇山さんの笛が、その想いを突き動かすようで、2人の気持ちがお客様や東北へと羽ばたいていくようでした。

済美高校の生徒さんたちは、気仙沼との交流を震災以降続けているそうで、その報告と感じた思いを一生懸命披露して下さいました。
まだまだ話し足りないくらい、彼らにとって大切な経験だった様子。
ご引率くださっていた先生方も彼らの成長に驚いていたようです。多感な時期の貴重な体験。
ずっと忘れないで、続けてほしい活動です。

最後には、吉田葵さんと「わが美しき故郷よ」を披露。
この曲をつくられた畠山美由紀さんは、気仙沼出身のシンガーソングライターです。
気仙沼の方言での朗読と一緒になっているのですが、故郷への想い、震災時の想いが隅々までつまっている美しい曲です。
吉田さんののびやかな歌声に、心が打たれっぱなしで弾いていても気仙沼の情景が浮かんできました。

このような行事は、これからも大切にしていってほしいです。今回、このコンサートに出演させていただけたことに心より感謝します。

そして、まだ復興途中の東北の皆様がたの心に寄り添える音楽を、日々精進してまいります。


私のこの日の演奏曲。

■平均律クラヴィーア曲集より ハ長調 プレリュード
■半音階的幻想曲とフーガより 幻想曲
■ゴルトベルグ変奏曲より アリア